Rie Smile

ギターの三原淑治とベースの沢田穣治によるシンプルで美しいアコースティックアルバムです。二人は長い友人関係に有りましたがお互い仕事の為に忙しく、いつの間にか10年の時間が過ぎたある日、旧交を温めようとの連絡を取りあった時にどちらからとも無く2人で音楽を創ろうとの話になりました。

2人の曲を持ち寄り1日でリハーサル、1日でベーシックトラックを録音しそれぞれが順にデーターを持ち帰って最小限のダビングを加えて出来た音楽がこのアルバムです。

限られた時間で作られた音楽ですが2人の曲を聴き比べてみるとお互いの特徴が良く出たアルバムでもあり、2人の音楽性が気持ちよく融合しているのが聞き取れます。

2人のプロフィールを簡単に紹介してみるとギターの三原淑治は大阪の音楽系専門学校の校長として長く後進の指導に携わる傍らジャズオルガンの巨匠ジミースミスジャパンツアーのサポートなど多くのミュージシャンとの競演、自己名義のアルバム制作等の音楽活動を続けていましたが近年はIT関係の仕事に従事する事が多く音楽の現場から少し離れていました。今回このOGDレコーズのプロデューサーとして久し振りに音楽制作の現場に戻り、新しい才能の発掘に取り組むことになっています。

ベースの沢田穣治はショーロクラブというブラジル音楽ユニットの活動をメインに映画音楽、現代音楽、ジャズ、ポップス、Jポップス及びタイのアイドルのプロデュースまで幅広い分野で活動を続けています。そのジャンルを超えた高い音楽性が評価され日本に留まらずアジア各地、ヨーロッパ、南米からの招聘、あるいは自身の企画で多くのプロデュース活動・演奏活動をワールドワイドに行っている日本を代表するベーシストの一人です。

 

《曲目紹介》

1.Rie Smile(作曲:三原)

Rieというのは三原の長女の名前です。三原は以前、次女の名前をタイトルにした「AYA」というアルバムをアメリカのレーベルからリリースした事が有ります。ソロ中間部「Lovin‘ you」のメロディーはコード進行が同じだった為に思わず出てきたようです。

2.Blues for CAT(作曲:三原)

ブルースのコード進行を用いていますがガットギターで演奏している為にそれほどブルースの雰囲気を感じさせません。5小節目のサブドミナント部分をマイナーコードにしている為に更にそう感じるのかも知れません。

3.Waltz(作曲:沢田)

沢田作曲の優雅なワルツです。彼の作る曲はオーソドックスなジャズのフォームより現代音楽的な響きを持つ作品が多いのですがこの曲は比較的分かり易いコード進行を持っています。

4.ソラリスの朝(作曲:三原)

大のSFファンを自認する三原ですが有名なSF古典「惑星ソラリス」にインスパイアーされて作っています。この小説を基にしたアンドレイ・タルコフスキーの映画も高く評価されましたが、暗く神秘的なムードがこれらの作品の共通するところでしょう。

5.馬追唄 ( Umaoi Song ) (作曲:三原)

日本に古くからある童謡のメロディーかと思わせる、このアルバムの中では異色の曲調ですが沢田がアルコでムードたっぷりに演奏しています。

6. Something New(作曲:沢田)

テーマの後、三原と沢田がそれぞれ短い即興演奏を差し込みますが少しカントリーフレイバーの有るギターのソロが面白い曲です。

7.迷子の少女(作曲:三原)

ロックバンド「The Doors」の2ndアルバムの収録曲に同名曲が有ります。語感が気に入りタイトルとして拝借したようです。サビ部分のメロディが迷子の少女というイメージなのだそうです。

8.Opus.15(作曲:沢田)

すこし不思議なムードを持つ沢田の作品。即興部分は無く美しいメロディーを2人で演奏しています。

9.星と海(作曲:三原)

Em9のアルペジオを弾いている内に自然に出来た曲だとのこと。夜の海を見ながら一人で砂浜に座っている情景を描いているのだそうです。

—「NeoSound NeoStar」ラーナーノーツより